ブログ
院長ブログ
歯ブラシ vs. 電動歯ブラシ、結局どっちがいいの? 歯科医院が教える選び方と正しい使い方
毎日使う歯ブラシですが、「電動歯ブラシに変えるべき?」「手磨きじゃダメ?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、それぞれの特徴と、あなたのライフスタイルやお口の状態に合った選び方を、わかりやすく解説します!
結論:大切なのは「磨き方」と「継続」です!
手用歯ブラシ(普通の歯ブラシ)でも、電動歯ブラシでも、正しい使い方でしっかり磨けていれば、どちらも効果的に歯を守れます。
大切なのは、ご自身が「無理なく、高い清掃効果を維持できるのはどちらか」という視点で選ぶことです。
1. 手用歯ブラシ(普通の歯ブラシ)の特徴
✅ こんなところが優れています
- 初期費用が安い: 本体が安価で、種類も豊富なので気軽に試せます。
- 力加減を調整しやすい: 自分の感覚で、歯茎の状態や磨く場所に合わせてデリケートに力を調整できます。
- 携帯性抜群: 軽くてコンパクトなので、外出時や旅行に便利です。
⚠️ こんな点に注意
- 技術が必要: 磨き方(角度や動かし方)が自己流になると、汚れが残りやすくなったり、力が強すぎて歯や歯茎を傷つけたりするリスクがあります。
- 時間がかかる: 隅々まで磨こうとすると、電動歯ブラシより時間と労力が必要です。
2. 電動歯ブラシ(音波式・回転式)の特徴
電動歯ブラシは、モーターの力でブラシを高速で動かすことで、効率よく汚れを落とします。
✅ こんな方に特におすすめ!
- 「忙しくて時間がない」方: 短時間で高い清掃効果が期待できます。
- 「いつも力が入りすぎる」方: 過圧防止センサーが働き、歯や歯茎を傷つけるのを防いでくれます。
- 「手先が不自由」な方: 自分でゴシゴシ動かす必要がなく、ブラシを当てるだけで済むため負担が少ないです。
- 「歯周病予防を重視したい」方: 特に音波式は高速振動で水流を発生させ、毛先が届きにくい場所(歯間や歯周ポケット)の汚れにもアプローチできます。
⚠️ 知っておきたいデメリット
- コストがかかる: 本体が高価な上、替えブラシの費用もかかります。
- 使い方に慣れが必要: 手磨きのようにゴシゴシ動かすのはNGです!ブラシを歯に軽く当てて、ゆっくり移動させるのが正しい使い方です。
電動歯ブラシの主な分類(種類)
電動歯ブラシは、ブラシの「動き方(振動の仕組み)」によって、主に以下の3種類に分類されます。
| 種類 | 振動数・動作 | プラーク除去のメカニズム | 特徴・推奨者 |
| 1. 音波式 (ソニック式) | 毎分 2~3万回前後の高速振動 | 物理的な振動に加え、振動による水流(唾液や水)を発生させ、毛先が届きにくい部分の汚れを浮かせて落とす。 | 歯茎に優しく、歯周病予防や歯間清掃を重視したい方に特に推奨される。 |
| 2. 回転式 (ロータリー式) | 丸いヘッドが左右に高速回転・反復運動する(毎分 数千回程度) | 物理的な摩擦力で歯の表面の汚れを強くこすり落とす。 | プラーク除去力が非常に高く、着色汚れ(ステイン)が気になる方、しっかり磨きたい方に推奨される。 |
| 3. 超音波式 | 毎秒 100万回以上(1MHz以上)の超高速振動 | 物理的な振動は少ないが、超音波で細菌の連鎖を断ち切るなど、プラークの付着力を弱める作用があると言われる。 | 歯周病など、バイオフィルム分解に特化したケアを求める方に。 |
※ 一般的な電動歯ブラシ(高速運動電動歯ブラシ)は、音波・超音波ほど高速ではない振動や回転で、手磨きの補助的な役割を果たすものもあります。
電動歯ブラシの「詳細な使い方」指導ポイント
電動歯ブラシの効果を最大限に引き出すには、手用歯ブラシとは全く異なる「正しい使い方」が必要です。特に患者様へは以下の点を徹底して指導します。
動作の基本:「当てるだけ」「ゆっくり移動」
| NGな使い方 | 正しい使い方 | 指導の目的 |
| 手磨きのようにゴシゴシ動かす | ブラシの動きに任せて動かさない。歯の形に沿って、ゆっくりと次の歯へ移動させる。 | 高速振動の力を最大限に活かし、歯や歯茎への過剰な摩擦を防ぐ。 |
| 強く押し付ける | 毛先がつぶれない程度の軽い力(ブラッシング圧)で歯面にそっと当てる。 | 力を入れすぎると、歯茎下がりやエナメル質の摩耗、知覚過敏の原因になる。 |
| 一か所を短時間で済ませる | 1本または2本単位で、数秒間(機種によりますが約3秒~5秒)じっくり当てる。 | 磨き残しを防ぎ、全体を均等に磨くため。タイマー機能の活用を促す。 |
電動歯ブラシを使う際の重要ポイント!
電動歯ブラシを使っても、歯と歯の間の汚れは落としきれません。
効率よく磨ける分、浮いた時間でデンタルフロスや歯間ブラシを必ず使って、仕上げ磨きを行いましょう!
🦷 堀井歯科医院からのアドバイス
「今使っている歯ブラシに不安がある」「自分に合った磨き方を知りたい」という方は、ぜひ定期検診をご利用ください。
当院では、患者様一人ひとりのお口の状態や磨き方の癖を確認し、手用・電動に関わらず、最も効果的なブラッシング方法や適切なアイテム選びを指導いたします。
プロのアドバイスで、毎日のセルフケアをレベルアップさせましょう!

